「あ、飴玉!? 私、ロックに飴玉なんてあげてないけど・・・」
「焼き菓子と一緒の包みに入ってた」
眉間を寄せたフローラに、焼き菓子と一緒に入っていた事を伝えれば
「焼き菓子と一緒に!?」
俺の言葉に、ハッと気が付いたようにこちらを見る。
「参考までに聞くけど飴玉って何色だった・・・?」
「水色」
恐る恐る聞いてくる彼女に答えれば、「あぁ、やっぱり・・・」とか言いながら項垂れたフローラ。
「それ、飴玉じゃない」
「じゃあ、あれは何なんだよ!?」
飴玉じゃないと言った彼女に聞き返せば
「世界樹の種・・・」
何かの種だと言い出した。
「世界樹って、何だ?」
「世界樹は、この異界にある木なの。
種を食べてしまったから、この世界とロックの夢の世界が繋がっちゃったんだわ」
「でも、宝石みたいにキラキラしてて、とても種には見えなかったぞ?」
そう・・・あれは、本当に吸い込まれそうなほど綺麗だった。
「キラキラしてても、それが世界樹の種なの!!」
「体に、害はないのか?」
一応、体が心配になって聞いてみたが
「さぁ・・・?」
「は?」
フローラからは、曖昧な返事が返ってくるだけで
「だって世界樹の種を食べちゃったなんて聞いた事ないもの。
そもそも、この異界に来れるのだって今迄は私だけだったし」
前代未聞の事らしい・・・
俺の体、大丈夫なのか!?

