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「寒くなってしまったな」


あれから書類の確認が終わったのは1時間後だった。
暖かかった風は風向きが変わってピリピリと冷たい感覚が頬を通り過ぎていく


「上に羽織る物があるから大丈夫だよ」


フローラは大丈夫だと言っているが、今日の服装は上着があっても寒そうだ。

元々、ドレスを着慣れていなかったフローラは丈の短めのワンピースを好んで着ていた。今日はレモン色で首には金で細かい細工がしてあるハイネック、腕とウエストの部分にはシャーリングの加工が施してあって華奢に見える。


「少しだけだぞ?」


「うん!」


フローラが少しでも寒くないように腰を引き寄せて歩く。


「ロック・・・何か風がおかしい」


「風が?」


「何だろう・・・?」


フローラが風の異変を感じたらしい


「今迄にもこんな事が?」


「いいえ、こんな事は初めて。風の中に邪悪な気が混じってる・・・嫌な感じ」


眉をキュッと寄せて俺の服を掴む。


「邪悪な気・・・か」