「あなたの怪我に使った私の血なんて少しだよ。流石にあれだけの怪我は私の血だけじゃ治せなかった。だから、あなたを異界に運んだの。あそこに流れている小川の水と薬草も必要だったから。全部使って何とか治す事ができたのよ」


そこまで話すとジッと俺を見る


「・・・っ」


フローラが何かを話そうとすると



・・・コンコン


ドアがノックされて口を閉じてしまった



「入れ」


・・・ガチャ


「おっ待たせ~♪」


ヴァイスが給仕係りの男達を連れて入ってきた

何も言わなくてもテーブルに3人分のディナーが用意されていく


---3人・・・?


「おい」


「はいは~い?」


「何で3人分の食事が用意されているんだ」


「だって3人で食事するんだも~ん」


「・・・」


聞いた俺が馬鹿だった。このニヤニヤした顔を見れば誰の分かなんて一目瞭然じゃないか。


「お前、食べてなかったのか」


「誰かさんが午後からの予定を大幅に狂わせてくださったので~」


「何だよ」


「俺が2人分の働きをしてたんだよっっ!!」


「・・・・」


「無視しないで何とか言ってくれってば!!!!」


「で?今迄、仕事をしてたのか」


「いや?風呂入ってた」



---コイツ・・・魔法で飛ばしてやろうか・・・