「お前は何しに来たんだ」


こんな時間に用でもあるのか?


「飯どうすんのか聞きに来たんだけど~?」


「ここで食う」


「了~解!姫さんちょっと待っててね~」


「はい。ありがとうございます」


手を振って部屋を出て行ったヴァイス


「そういえば、手首はどうなった?」


あの痣が気になって左の手首を見ると、もう痣は消えていた。


「ほら。もう何ともないよ!」


「フローラ・・・君の体は一体?」


俺の言葉にフローラの表情が硬くなるが少し考えた後、ほぅっと息を吐いて話し始めた


「あのね?私、精霊使いでしょ?精霊使いって血統なの。私の遠いご先祖様はエルフなんだって」


「エルフ・・・」俺の言葉にコクリと頷く。


「エルフの血には治癒する力があるの。私は純粋なエルフではないから耳も尖っていないし、不老不死のような力はないんだけどね」


「・・・」


「あなたを助けられたのも、私の血に治癒力があったから」


「・・・俺の怪我を治すのにフローラの血を使ったのか!?」


返事はせずに微笑むだけのフローラ。