---
-----
-------

俺の部屋へ戻りフローラをソファーへそっと下ろす。

廊下で誰かと擦れ違う度に何事かと声を掛けられたが「何でもない」とあしらった。


「見せて」


フローラの手首を見ると、あの酷かった痣が薄くなっていた・・・


「ね?大丈夫だって言ったでしょ?」


どうしてこんなに治りが早い?

信じられなくて、手首を凝視していた


「私は治癒力があるから治りが早いの」


「それにしたって・・・」


いくら治癒力が高いと言ったって痣が薄くなるのが早過ぎる


「前にロックの傷も治したでしょ?私、傷を治せるの」


だから大丈夫よ?そう言って手首を擦って微笑んだ。


確かに、瀕死の俺を助けてくれた。それだけ治癒能力があるんだろうけど・・


「でも・・・手首を掴まれた時は痛かっただろう?」


フローラが擦っていた手首をそっと引き寄せてそこに口づける


彼女を見れば顔を真っ赤にしていて。

その反応を見ているだけで自然と笑みがこぼれてしまう


「君が傷付くのが嫌なんだ」


腕を引き寄せて傾いてくる体を抱きしめた