自分のものではない意志が

自分のものである自分の体を動かす。

私自身は望んでないのに、

ワタシが望んだのに

私が望んだ時と同じように動く。



嫌なのに。

どうして。

動いてしまうのだろう。

わからない。

でも

一つわかることがある。


あの人の、

私の愛しいあの人のためになっているということ。



でもまたかってに口が動く。




「ダレ・・・カ・・・・タス・・ケ・・・テ」





「・・・・・・レイ」




今度は私でもなくあの子の意志でもないのに動いた。


あれ?


どうして?


頬に一筋の涙が流れた。


誰も見ていない涙を、紅く染まった手で拭う。