君の「好き」が欲しいだけ




「…っ…!」



教室に入ると、俺の足は止まる。



すべての思考と動きが止まった。




まるで時間が止まったのかのように動けない。





…ここに、いたのか…





そこには、座って壁に寄りかかったまま目を閉じている、花。







一定の呼吸のスピード。





迷いもなく少しずつ近づく。







遠くからでは分からなかったが、彼女の頬は濡れていた痕。






なんで……







俺は寝ている彼女の前に立つ。




見下ろして見ると、彼女はやっぱり小さい。






可愛い顔をして、全く警戒心を持っていないから困る。


いつも、俺はそのせいでハラハラだ。