夕方になり、翔太に家まで送ってもらう。 「じゃあ、翔太、また明日ねっ!」 「ん」 翔太は、あたしの腕を引っ張り、優しく抱きしめる。 「しょ、うた……?」 今まで、こんなことはしなかったのに。 「……あと、少しだけ」 「……うん」 ギュッと、あたしも力を込める。 このとき、翔太は少し不安そうで。 「そろそろ、帰るな」 「気をつけてね?」 「ははっ、余裕だっつの、ばーか」 でも……笑顔は、いつも通り。 この笑顔は、何よりも、好きで、大切で……。