「相原ってなんで転校してきたの?」

「んー親の転勤」

「嘘だ」

「バレた?」

「うん」

「……言えない」

「そっか」

このとき、相原の表情はすごく悲しそうで。

無理矢理聞き出そうなんて、思えなかった。

「相原は、なんでここにいたの?」

「秘密〜」

「あ、そう……」

「そこ、深く聞かないんだっ」

だって……適当な話題ふっただけだし。

「……真優は、なんでいつもここにいんの?」

「……この桜が、好きなの」


この桜は、あたしの……“特別”なんだ。