【完】999本のバラを君に。







「なぁ、なんかあった?」

「な、なんもないよっ」

「ふーん。じゃあ、こっち向けよ」

「……っ」

「……先行く」

翔太が怒るのも、無理ない。

悪いのは、あたしだ。

……恥ずかしさと不安で顔を上げられなかった自分が、すごい恥ずかしい。



あたしはゆっくりと教室へと向かう。

教室に入れば、梨華があたしの顔を見て、目をまん丸にさせた。


「ど、どーしたの、真優……」

「り、りかぁ……っ。どうしよー……っ」


梨華の顔を見たら、いつの間にか、涙が止まらなかった。


「ちょっ、ま、真優? とりあえず、場所かえよ?」


梨華の言葉に、頷いて、一緒に屋上へとゆっくり歩いた。