【完】999本のバラを君に。






翌日、あたしは心臓バクバクさせながら、学校へと向かう。

校門を抜け、下駄箱で上履きへと履き替える。

すると、後ろからコツンと誰かに頭を叩かれた。

「はよ」

振り向けば、翔太が少し不機嫌そうに立っている。

「お、おはよ……」

『ここじゃ、なんもできねーじゃん』

翔太の昨日の言葉が、頭を過る。

かぁぁぁぁっ。

あたしは、思わず、翔太から顔をそらす。

「これ、忘れもん。お前、机に置いてあったの全部忘れてんぞ」

「ご、ごめん……」

下を向いたまま受け取るあたし。

翔太の声が、いつもより少し低い。

……翔太、怒ってる。