「なぁ、一緒にサボンね?」

「? いーけど」

そう言って、あたしは、男の子の隣に立ち、木に寄りかかる。

「座れば?」

「いや、いい」

「そ? なぁ、あんたいっつもここでサボってるよね」

「? なんで知ってるの?」

「俺、3組で、窓側だから丸見えなの」

あぁ、なるほど。

「なぁ、名前教えてよ。俺、相原翔太」

「豊崎真優、です」

「まひろ? よろしく」

「ん、よろしく」

相原は、ニッと嬉しそうに笑った。

その笑顔は、すごく綺麗だなって思った。

そんで、相原の第一印象は『不思議な奴』だった。