勝負が終わって、もう教室にもグラウンドにも、人はいなくなった。 あたしは、壁に寄りかかりながら、彼を待っている。 そして、ドアが開く音がして、顔をあげると、翔太が嬉しそうに笑っていた。 翔太はゆっくり近づいてきて、「アホ」と笑って言った。 「フツー、あんな大声で叫ぶかっつの」 「うっさい」 「……嬉しかった、サンキュ」 「うん」 「……まひろ」 コツン、と翔太は額を合わせて、優しく囁いた。 「好きだよ、真優。好きだ」 その言葉に、あたしの瞳から涙が溢れ出す。