『今日の放課後、野球部のエース浦辺と相原が三打席勝負するらしい』

その噂は一斉に広まった。

「ねぇ、真優、その……ごめん」

朝一番に、その噂を聞いたのか梨華が謝ってきた。

「気にしてないよ、平気!!」

ほんとだよ、梨華。

梨華のことを悪いなんて、一ミリも思ってない。

「ねぇ、真優はぶっちゃけどうなの? 相原のこと、さ」

「ムカつくよ。ほんと、最低って……思ってるはずなんだけど」

なぜか……胸が、ドキドキしてる。

「そっか。頑張れ!」

梨華は、ニッと笑って言った。