【完】999本のバラを君に。






なんて決意をしていると、受付であたし達の番に。

「2名で、これ、お願いします」

「え……」

翔太が頼んだのは、ホラー映画じゃなくて、アクション映画。

「席、一番後ろでいい?」

「う、うん」

受付が終わり、時間がくるまで館内にあるファーストフード店に入った。

「ねぇ、翔太……」

「ん?」

「ホラー映画じゃなくて、よかったの……?」

「……あのなぁ」

翔太は呆れ顔で、人差し指であたしの額をツンと叩いた。

「あからさま“ホラー苦手です”って顔をしてたくせに、何言ってんだよ」

「え、そんな顔してた……?」

「してた。どーせ、ここまで連れてきてもらっといて言えない、なんて思ってたんだろ」

「う……」

ず、図星……。

「彼氏なんだから、金払うのも彼女優先するのも当たり前。男からしたら、彼女の我が侭聞くのが楽しみなんだっつの」

「……M」

「うるせっ」

「嘘。ありがとっ」