話し込んでいたら、気づけばもう20時をまわっていた。

「そろそろ帰るか?」

「うん。明日も来るね」

「ん」

翔太はギュッとあたしを強く抱きしめる。

「……悔しいなぁ」

「なにが?」

「麗華ちゃんもこの温もりに触れたかと思うと」

「それはこっちの台詞。悠太に触れさせやがって」

「……お互いサマだね」

「だなっ」

そっと、少し長いキスをして、あたしは病院を出た。