【完】999本のバラを君に。






その後、あたしは溢れる涙を拭いながら、悠太君の部屋へと歩く。

インターホンを押すけど、反応はなくて。

まだ、帰ってきてないのかな。

……今、1人で家にいるのは、やだな。


しばらく座って待っていると、誰かの足音が聞こえて。

「……真優ちゃん?」

その声に顔をあげると、悠太君が目を丸くしていた。

「ちょっ、なにやってんの?!」

「……」

悠太君は、あたしの腕を引っ張って無理矢理立ち上がらせる。

「体つめてーじゃん。とりあえず中入って」

あたしの手を引きながら、玄関のドアを開け、あたしをソファに座らせる。

悠太君はストーブをつけ、あたしの体に毛布をかけてくれた。

「温かい?」

「……うん」

「で、何があったの?」

「……」

心配そうに聞いてくる悠太君。