【完】999本のバラを君に。






放課後になれば、悠太君は「バイトあるから先帰るな」と言って、走って帰っていってしまった。

久しぶりに、桜の木行こうかな。

最近、思いださないように行っていなかった場所。

でも……行っても思いださないようにしないといけない。


……あ、れ……。

先客?


桜の木の所には、男の人が一人立っている。

制服きてない……卒業生、とか?

少しずつ近づいていき、男の人があたしの方に振り返った瞬間、あたしは思わず足が止まった。

そして、肩にかけてある鞄が地面へと落ちる。


「……しょ、うた……?」


「……まひろ?」




どうして。

どうして、今更……。



忘れようって、思ってたのに。