悠太君が前のドアの方から教室にはいると、窓側の方から浦辺君が「あいはらぁー」と悠太くんを呼ぶ。
近づく悠太君を、他の男子が笑いながら囲んでいて。
悠太君も、本当に楽しそうに笑っている。
「不思議だよね、悠太君って。翔太君とはまた別の不思議さ」
「うん」
「……気づいてる、真優」
「? 何に?」
「変わってるのは真優もだよ」
「え? あたし?」
「最近さ、楽しそうじゃん。翔太君が遠くに行っちゃって、いつも本当の笑顔じゃないのはあたしも気づいてた。
でも、さっきの真優、本当に楽しそうだったよ」
「……っ」
「そこはさ、やっぱあたしも悠太君に感謝してるよ」
悠太君、悠太君……。
「真優ちゃん、今度クラス会やるみたいなんだけど、参加する?」
ねぇ、悠太君、知ってる?? 気づいてる??
『真優ちゃんには、感謝してる』
本当に感謝してるのは、あたしだよ。

