あたしは、ギュッと、悠太君の胸に抱きつく。

悠太君は、さっきまでのあたしの視線の先を一度見て、そしてあたしを強く抱きしめてくれた。


キス……麗華ちゃんからじゃなかった。

翔太から、麗華ちゃんにキスしてた。


ねぇ、翔太……どうして??

あたし、翔太のことずっとずっと好きだよ。

翔太は、違うの??

この想いは消える事はない……そう、確信していた。

けど、この想いを、自分から消そうとするなんて、思いもしなかった。



「……真優ちゃん、俺の部屋、行こうか」

「……うん」


そう返事をしたあたしの手を悠太君はギュッと握り、ゆっくりと歩き出した。