「麗華って、彼氏と仲良いよねー。聞くだけだけど」

梨華の言葉に、胸がドクンと鳴った。

「えへへ、彼ね、すっごく優しいんだぁ……」

やめて、言わないで。

「キスも、優しいし、抱きしめてくれる時も温かいし……」

お願い……それ以上、言わないでよ。

「それに……初めての時も、すっごい優しかったし」

麗華ちゃんがそう言った瞬間、あたしは後ろから引っ張られ、無理矢理立たされた。

「コイツ、借りる」

「悠太、くん……」

悠太君は、グイッとあたしの手首を引っ張り、屋上まで歩かされた。

「悠太君、どうしたの? いきなり……」

「……」

「……なんで」

「……」

わかってる。

悠太君が、無理矢理ここに連れてきた理由。

「……ど、して……っ」

「泣くの我慢すんなよ」

悠太君の言葉に、あたしの瞳から涙が溢れ出す。