「行くよ、真優ちゃん」
「あ……」
悠太君に引っ張られるあたしに、染谷さんはニコッと笑って言った。
「これからよろしくね、真優ちゃん」
悠太君はギュッとあたしの手首を掴む。
「あ、あの、悠太君……」
「屋上来るの遅いから心配になって探しにきてみれば、面倒事に絡んでるし。真優ちゃんって、バカ?」
「ご、ごめんなさい……」
って、探しにきてくれたの……?
あたしは、バッと悠太君の方を見上げる。
あたしの腕を引いたとき、悠太君、息上がってた……。
「? 真優ちゃん? どうした?」
「ご、ごめ……なんでもないっ」
「あ、わり、掴みすぎた? 痛いよな。ごめんな」
「う、ううん……」
やっぱり……悠太君は、優しい。
悠太君の優しさに、思わずあたしは頬が緩んだ。