【完】999本のバラを君に。






「ご、ごめ……」

「お言葉に甘えようかな」

「え……?」

「作ってくれるんなら、お願いしたいんだけど」

「……が、頑張らせていただきます」

そう言うと、悠太君は嬉しそうにはにかんだ。

「なんか見る? DVDあるけど」

「あ、じゃあ、見たい」

「何系がいい? 恋愛ものはないけど」

「んー」

棚を見ると、確かに恋愛系は1つもない。

でも、ホラー系、アクション系、推理ものなど……たくさん置いてある。

悠太君って、結構映画とか好きなのかな。

よく見れば、ディズニーの映画まで。

「あ、これ見たい。白雪姫」

「ふ、真優ちゃんらしい」

「どういう意味、それ」

「子供っぽいっていう意味」

「ばか」

あたしは悠太君の頭を軽く叩く。

悠太君は、悪戯っぽく笑った。