そして、土曜日。

あたしは、駅で悠太君と待ち合わせ。

悠太君と休みの日に出かけるのって初めてだなぁ……。

「ごめん、待った?」

「ううん」

悠太君の私服、初めて見たけど……やっぱりセンス良いなぁ。

ジーパンに、白いTシャツ、その上に黒いジャケット。

さっきから、すれ違う女の子が毎回振り返っている。

「んじゃ、いきますか」

「悠太君の家ってどこら辺なの?」

「真優ちゃんの家と反対方向、かな」

「へぇ……」

歩いて10分ぐらいで、少しオシャレなアパートに着いた。

「一軒家じゃ、ないの?」

「兄貴のとこは、親父の別荘みたいなところだから。俺のは、俺が稼いで住んでるんだよ」

「か、稼いでるの?」

「まぁ、バイトをちょこっとね」

ゆ、悠太君がバイト……。

想像できない、かも……。