「……もう一度会うって。そのとき、絶対、また聞くから。
幸せ?……って」
翔太は少し涙声で、「うん」と答えてくれた。
「真優、ごめんな。俺が選んだこの結果が、正直、正しかったのかわかんね。結局、真優に辛い想いさせて、泣かせてんだもんな」
あたしは、ぶるぶると首を振る。
「でも、もし間違いでも、正しかったて思えるようにまた帰ってくるから」
「うん……っ」
そして、翔太はニッと、以前と同じように笑った。
その笑顔は、あたしの大好きな笑顔で。
「翔太様、そろそろ時間です」
「あぁ。……真優」
翔太はあたしの左手をそっと握る。
「俺も、会えたとき、もう一度言わせて。
“結婚してください”って」
そして、あたしの薬指そっと指輪を通す。
その指輪は……あたしが、翔太の下駄箱に置いたはずの指輪で。
翔太から、一ヶ月記念日のときもらった指輪。

