体育祭が始まれば、大盛り上がり。
体育祭は赤組、青組、白組の三つに別れる。
あたしと梨華は青組で、樹くんと翔太は白組。
「ねぇ、真優はハチマキ誰にあげるの? あたしは樹と約束してる♪」
「んーまだ決まってない」
体育祭では、『ハチマキを交換すると、2人の仲は深まる』なんて、ジンクスがあったり。
交換したい人……か。
そんなの、あたしの心の中はたった1人で。
あたしは、次の借り物競走に出るため、移動してるとある会話が耳に入ってきた。
「しょ、翔太君、あの、ハチマキ交換する相手、決まってる?」
その言葉に、思わず目を向けると、二つ結びの女の子が、頬を赤く染めて翔太に話しかけている。
「いや、まだだけど」
「じゃ、じゃあっ、あたしと交換して欲しい……っ」
「……ん、考えとく」
……期待なんか、しちゃいけない。
翔太も……あたしと交換したいんじゃないか、なんて。

