体育祭当日。 あたしは体育祭実行委員として、テントの準備やら開会式などで忙しかった。 「豊崎さん、翔太君が倉庫からハードル取りに行ってるから、手伝ってきてあげて」 「はい!」 翔太と2人っきり……。 大丈夫、だよね……。 あたしは、ゆっくり倉庫の扉を開ける。 すると、翔太がハードルをもっていこうとしている姿。 「なに?」 「あ、手伝おうと……」 「そ」 今まで、あたしに向けられる瞳とは全然違う。 すごく、鋭くて、冷たい。