お昼休みになれば、あたしは1人で桜の木へと向かう。

自然と、ここに足が運んでしまうんだ。

翔太が来るんじゃないか……なんて、淡い期待をもって。

『真優』

そう、いつもの温かくて優しい声で、あたしの名前を呼んでくれるんじゃないかって。


ここにくると、翔太と過ごした日々が頭の中に流れ込んでくる。

『座れよ』


『真優に出会えてよかった』


『俺と幸せになる気ない?』




『……永遠があればいいのにな』





隣に君がいないことが、こんなにも寂しくてしかたがない。