「俺、親父のとこに行く」 やだ、行かないで。 そう言ったら、たぶん……翔太は行かないでくれるんだろう。 あたしの瞳から、涙が溢れ出す。 「真優。……愛してる」 翔太はあたしの耳元でそう言って、そっと、優しく口付けた。 キスは、少し甘くて……涙の味がした。 ねぇ、翔太。 この涙は、あたしの? それとも…… 翔太の涙ですか……?