【完】999本のバラを君に。






「お願い……っ」

怖い。

悠太君の目が、いつもと違う。

子供っぽい無邪気な目とは違って、冷たくて冷えきった目。

悠太君は、グッとあたしの手首を引っ張り、床へと押し倒す。

「まだ兄貴とシてなかったんだ。兄貴も随分惚れ込んでんなぁ……」

「お願い、離して……っ!」

「いいね、その反応。最近喜ぶ奴ばっかだったから、そーやって拒む子、いなくてつまんなかったんだよねー」

どうしよう、どうしよう。

悠太君の目、本気だ。

「真優ちゃんの泣き顔、超そそる」

そう言って、悠太君はあたしの唇に自分の唇を押し付けた。

無理矢理舌を入れられて、必死にもがくけど、全然敵わなくて。

「キスへったくそ。いつも兄貴と何してんだか。兄貴も、なんでこんな子をかばってんだろうねー」

え……、庇う??