【完】999本のバラを君に。






「ゆ、悠太君! ビックリさせないでよ!」

「あははっ。ごめんごめん」

「もう……ほら、戻ろ?」

あたしは、そっと資料室のドアに手をかける。

「なんで俺が、ここでサボってたと思う?」

「え?」

振り返ると、首筋に悠太君の唇が当てられて。

「ゃっ」

離れようとしても、男と女の力の差。

ビクともしなくて。

「ふ、良い声」

「や、やめて……っ」

「こういうこと、兄貴ともしたことない?」

悠太君は、首筋に唇を当てながら、あたしのシャツのボタンに手をかける。