【完】999本のバラを君に。







放課後になれば、今日も実行委員の仕事のため、教室で作業中。

そして、いつも通り、悠太君はいなくて。

さっきまでいたのに……。

「豊崎さん、相原くん資料室に工具取りに行ったと思うんだけど、ちょっと見てきてくれる?」

「あ、はい!」

資料室って、そんな迷うような場所にはないはずなんだけどなぁ……。

同じ3階の一番端にある。

もしかして、また女の子と……??

あたしは、資料室のドアをコンコンと叩いた。

「……あれ」

返事が返ってこない。

あたしは「失礼しまーす……」と、資料室のドアをゆっくり開いた。

「……きゃっ」

すると、急に腕を引っ張られ、資料室のドアがしまる音。

な、何事……??

あたしは、誰かの胸の中にいて。

目を上に向ければ、悠太君がニコッと笑っていた。