唇が離れれば、翔太は優しくあたしを抱きしめる。
「ちゃんと聞くから」
「……うん」
あたしは、悠太君が放課後で女の子としてることを話した。
悠太君と一緒に教室に戻ってること。
「……ったく、変わんねーな、あいつ」
「え……」
「今に始まったことじゃないんだよ、あいつの女遊び。中学2年ぐらいから変な遊び覚えてさ、それからずっといろんな相手と」
「なんでか、知ってる?」
「いや……それは、俺にもわかんね」
「そっか……」
翔太は、もう一度あたしを抱きしめて、そっと優しく口付けた。
いつも温かくて優しいのに……なぜか、少し冷たくて、震えていた。

