【完】999本のバラを君に。








唇が離れれば、翔太は優しくあたしを抱きしめる。

「ちゃんと聞くから」

「……うん」

あたしは、悠太君が放課後で女の子としてることを話した。

悠太君と一緒に教室に戻ってること。

「……ったく、変わんねーな、あいつ」

「え……」

「今に始まったことじゃないんだよ、あいつの女遊び。中学2年ぐらいから変な遊び覚えてさ、それからずっといろんな相手と」

「なんでか、知ってる?」

「いや……それは、俺にもわかんね」

「そっか……」

翔太は、もう一度あたしを抱きしめて、そっと優しく口付けた。



いつも温かくて優しいのに……なぜか、少し冷たくて、震えていた。