お昼休みが終わって、教室に戻れば悠太君は女の子に囲まれてた。
鐘が鳴り、先生が教室に入ってくれば、女の子達は自分の席に戻っていって、あたしは自分の席に座る。
「兄貴とお昼?」
「う、うん……」
「ふっ。そんな怯えなくていーよ。俺、そんな怖い?」
「……相原君は」
「悠太でいいよ」
「……悠太君は、翔太が嫌い……?」
あたしがそう聞くと、悠太君はにっこりと笑って言った。
「嫌いじゃないと思う?」
「……っ」
「兄貴が嫌な想いをしてるのは知ってるよ。でも俺は、家族から逃げる奴なんか好きだと言えないね」
「……そ、っか」
兄弟って、こういうもんなの……??
あたしは、涙が零れるのを、必死に堪えた。

