【完】999本のバラを君に。






桜の木について、翔太は腰を下ろす。

「くそ親父……ッ」

「翔太……?」

「……わり、真優。あれ、俺の弟」

「……うん。同い年、なんだね」

「あぁ……。生まれた年は一緒だからな」

「……電話、無視って?」

「……内容はわかってんだよ」

「そっか……」

「真優、座って」

あたしは、ゆっくりと、翔太の隣に腰を下ろす。

翔太は、あたしの手を強く握った。

「これから何かあったら、すぐに俺に言え。メールでも、電話でもいい。……約束して欲しい」

ギュッとあたしの手を強く握る翔太の手が、少しだけ震えていて。

「うん、約束する」

あたしは、そう答えるしかなかった。

翔太は、ギュッと強くあたしを抱きしめる。

腕をまわした体が、少しだけ震えていた。