「でも、ハルカ、茶道は?」
あの日は、茶道部の活動日。
じゃなかったっけ?
「お母さんの勘違いだよ…… ちょっと遅くなったら、すぐ部活って解釈しちゃうの」
「そっか……」
「しかもさ、家の中まで帰れたわけじゃないのにさ。遅いなんて勘違いして。 途中で事故っただけだし!」
「この夕日に……」
「え?」
「この夕日に、思い出あんの?」
つか、思い出かなんかなきゃ、こんなに来ないよな……
「この夕日が、お父さんの笑顔。 なんか、そんな気がするんだ」
「そっか。俺の父親はどこだろーな? 全然覚えてねーや」
「あたしだって。でも、若い頃の写真見せてもらったらさ!! ぶはっ!」
喋ってる途中に笑うなよ……。
つーか……。 自分で言ったことに笑えたのかよ……。
「なんだよ……」
「ヒロにそっくり!!」
「マジで?」
「マジで。」


