鍵を開けるのは私の役目。

今日も一番に部室に入る。

「さーきこさんっ。」

「おーおつかれ。」

最近では普通に会話する。

「もーすぐ検定?」

「そうですね。

 まあ、商業なんでね。

 とってなんぼですよね。」

「県大、大丈夫かな?」

「や、

 純粋に、吹いてて気持ちいいっす。」

「ね。

 楽しい。」

「咲子さん、

 なんで死んだの?」

顔が曇る。

「あ、聞いたらまずいすか。」

「や、

 簡単に言えばいじめ。

 で、

 家に帰っても、

 親いないし。

 仕事してて。

 でも高校生だし、

 我慢できるし、

 なんとかできるかなって、

 思ってたんだけど、

 負けちゃったんだ。

 ふとした瞬間、

 いなくなっちゃえって。

 飛んだの、

 屋上から。

 でも、

 ここにいるよ。」

「そうなんだ。」

「お母さんに、

 県大、

 見に来てもらおうかな。」

「え?」