天使の涙


「記憶喪失?」

「だって、記憶ないんだろ?」

まぁ、そうなんだけど。

「名前。思い出せない?」

「うん…。」

「んじゃあ、俺が名前決めてやる。」

え?

「どんなんが良いかな。」

考え始めた椎名。

ふと、外を見ると青空だった。

いい天気だなぁ。

「キレイな空。」

って私ってば何言ってるんだろう。

「それだ!」

「え?」

「空みたいにあんたキレイだから。名前は、ソラ。」

ソラ。

「今日からよろしくな、ソラ。」

なんてキレイで優しい人なんだろう。

ソラなんて名前、私にはもったいないよ。