天使の涙


「ソラー!」

誰かが走ってこっちへ向かってくる。

椎名?

「ソラ!鍵ないだろ!」

走ってきたせいか、椎名は肩で息をしていた。

暑い中走って来てくれたことに胸がなんだかじーんとする。

「椎名…遅。」

「アホか!」

「嘘…ありがとう。」

ちょっと恥ずかしくて俯く。

鼓動が速くなる。

顔が熱い。

このもどかしい気持ちはなんだろうか。