天使の涙


「あと、10分。」

「え?なにが。」

「あと10分で授業始まる。」

「はあ!?」

信じらんない!

遅刻じゃん!

「椎名!それを、もっと早く言いなさいよ!」

「ソラが聞かないから。」

「ありえない!」

急いで支度を始め、全速力で学校へ向かった。

遅刻したのは言うまでもない。

「今日から転入してきた、椎名ソラさんです。」

担任は女の人。

名前、なんだっけ。

ま、いっか。

「えっと…椎名ソラです。よろしくお願いします。」

「それじゃあ、椎名さんはそこの席に座ってね。」

指定された席は窓側の1番後ろだった。

あ…れ…?

この感じ…どこかであった気がする…。

なんだろう。

どうして思い出せないの…。

「椎名さん?」

「ソラ?」

先生と椎名の声ではっと我に帰った。

「あ…すみません…。」

席に座るとちょうどチャイムがなった。

さっきのはなんだろう…。

前にも一度あった気がする。