天使の涙


「あのさっ」

「どした?」

「椎名の両親は?」

「んー…。」

あれ…。

聞いたらまずかったかな…?

「仕事だよ。帰ってこないなんてしょっちゅうだから。」

「兄弟は?一人っ子?」

「うん。一人っ子。」

さみしくないのかな?

毎日一人で?

そんなに大変な仕事なのかな?

「んな顔すんなって。さみしいとか思った事ないから。」

「うん…。」

「俺の親父さ、俺が通ってる高校の理事長なんだ。」

「え?そうなの?」

「うん。で、提案。」

「提案?」

「親父に言って高校入れてもらう。」

「高校?入るの?誰が?」

「ソラが。」

「え?」

「晴れてソラも高校生。」

急に頭が回らない。

嬉しいけど私高校生?

何歳だろう。