天使の涙


「ぶっ!!」

お風呂を借りて、おまけに服まで借りた私。

でも私にはでかくて。

その姿をみた椎名は笑いだした。

「でっか!てか、ソラちっさ!」

「うるさい、バカ。」

ああ。

私は命の恩人になんてことを言っているのだろうか。

「んじゃあ、俺風呂入ってくるから。適当にくつろいでて。」

椎名が部屋をでていった瞬間一気に静かになった。

心細くなったなんて口が裂けても言えないけど。

とりあえず、テレビをつけてみた。

ドラマが入っていた。

恋愛もののドラマ。

斜め下に時間が書いてあった。

もう、夜の10時か。

あれ?

こんな時間なのに、椎名の両親はどこだろう。

仕事?

お母さん…?

そういえば私の両親は?

誰?

どこに居る?

「ソラ。何見てんの?」

「椎名!うわ!ちょ、服!!」

上半身裸の椎名が私の目の前に。

「早いし…。」

まだ、ほんの10分ほどしか経っていないのに。

「まーな。」