俺が彼女を抱けない理由

「拓ちゃんって誕生日いつ?」


「11月3日」


「もうすぐだね」


「パーティーしよ〜」


誕生日か。。。。


「そんなのいいって」


去年の誕生日の思い出が大きすぎてきっとそれ以上の誕生日はないと思った。





多分これからもずっと。。




「でもするよ」


「言うと思った。笑」


みんなは受験勉強してるんだろうな。。


いつまでもあの時の思い出に執着しても前に進めないのは分かってる。


でもまだ無理だった。


ここに来てからもうすぐ1年、大分仕事のことも分かってきたし出入りする事務所の人や業者の人とも顔なじみになった。




あの人は元気でやってるのかな。。。ふとした時に母親を思い出す事があった。でも俺はすぐにかき消した。





「じゃあ誕生日楽しみにしてて。」



そういってタマキは笑顔で俺に手を振って帰っていった。



タマキのことだから大きな事やりそうだな。。。