俺が彼女を抱けない理由

今日も俺は朝からセミナーに向かう。



ドアを開けるとすぐに俺の前にタマキが現れた。




「結城くん。おはよ」


「おはよ」


「今日は何か用事ある?」


「俺。。親父の仕事手伝わなきゃ」


「そっか。。。」


タマキはそのまま大人しく席へと戻っていった。


なんか最近アイツおかしいな。


正直ここのセミナーが役に立っているのかは疑問だけど今日も1日が終わった。


すぐにポケットから携帯を取り出しメールの確認をする。




これは俺の習慣になっていた。


あっ瞬。



【元気かぁ??俺らは元気だよ。香川もね(笑)】


香川という言葉に反応してしまう。


【そっか。みんな受験するんだろ?】


【一応全員大学受けることにしたみたい。三浦は陸上で推薦来てるみたいだぞ】



【三浦がんばったんだな。俺もがんばるよ】






ほんとはまた少しみんなとの距離が開いた気がしたんだ。


三浦、陸上推薦ってことは箱根目指せる所に行けるんだろうな。


俺は俺。そう思ってもやっぱり心のどこかでは何とも言えない寂しさと悔しさがこみ上げてきた。


「タマキ遊びにいこーぜ」

いかにも遊んでそうな集団に連れられて教室をでるタマキが見えた。


・・・アイツ



「タマキ!」


一度振り返ったかも知れない。


でもそのままタマキは教室を出ていった。