テレビを見る気分でもない。
今日も帰って来ないのかな。。
あれでも俺にとってはたった一人の母親だ。
静まり返った部屋で考えるのは「香川沙希」
俺なんかおかしいわ。。
今まで会った事のないタイプの女だったからちょっと頭から離れないだけ。。
瞬は何してるんだろ?
こんな事なら誘いにのっとけば良かった。
ドンッ
車のドアが閉まる音がした。
俺は窓から下を覗く。でもそれはすぐに後悔へと変わった。
知らない男と抱き合ってキスをしている母親の姿。
なんか気持ち悪い。
俺は窓の傍から離れてベッドに戻った。
どれくらいの時間が経っただろう。
玄関のドアが開く音がした。
「ただいまぁ。あれ?拓全然食べてないじゃない」
俺の部屋に入ってこようとする母親を外へ押し出した。
「入ってくんな!いつまでもチャラチャラしやがって」
「お母さんまだ30代だもん」
俺はそれ以上聞きたくなくて耳をふさいだ。

