あの男は訴える事をしなかった。
でも俺が人を殴ったと言う事実は変わらない。
このまま学校にいたら、陸上部にいたら、迷惑がかかるかも知れない。
俺は瞬だけに事情を話して退学届けを出した。
もうあの男を殴った瞬間から全ての事がどうでもよくなったんだ。
香川とは話がしたい。
でも俺にはうちの事情をアイツに全て話す勇気はなかった。
まだ授業中、今なら誰にも会わずに部室には行ける。
ただみんなからもらったシューズ入れだけは取りに行きたかった。
こんな事で終わるなんてな。。
グランドを見ながら今までの事を思い出す。
今なら全国も狙えるチームだよな。
三浦。。ごめんな。。

