俺が彼女を抱けない理由

「拓〜」


「なに?」


「アタシ中学の時ね。。。実は拓の隠れファンだったんだよね」


「まじ?」


「まじ。笑
アタシ、自分の中学の応援にいっててアタシが見てた区間の前で拓が走り抜けてった。何人抜きだっけ?」


「あ〜あの時の駅伝か。そうなんだ?」


今からハードな練習があると分かっていても顔が綻んだ。



「でも。。。。こんなに性格ひねくれてる奴だとはねぇ。。。笑」


えっ!?



持ち上げといて落とす。ちょっとでも期待した俺がどうかしてたよ。。そんな俺の気持ちも知らないで香川は話続けた。




「拓は今まで彼女とかいた?」


「いないよ」


「けど相当人気あったんじゃない?」


「あ〜あったかも」


「否定しなよ」


俺をどうしたいわけ?


確かに俺は中学のときよく女の子からいろいろプレゼントをもらったり告白されたりした。



でも練習が大変って言うのと。。。女そのものに興味がなかった。


男にだらしない母親を見てきたからかも知れない。




でもそんな事は香川には知られたくなかった。