俺が彼女を抱けない理由



それでも布団を被って目をつぶる。

一番に考えたのは香川の事だった。

俺、重症だな。。

松本先輩かぁ。。



違うことを考えようとすればするほど香川がでてくる。


それでも疲れのせいか、いつの間にか眠りに落ちていた。








外は少しずつ明るくなっている。まだ5時だというのに俺の目は完全に冴えていた。



昨日香川が縫ってくれたジャージを手に取るとすでにほつれかかっていてなんかアイツらしい。


なんでこんなに優しい気持ちになれるんだろう。

そのジャージに着替えてアップシューズを履く。


まだ早いけどゆっくり歩いて行こう。



「お母さん、行って来るから」



「は〜い。いってらっしゃい」


寝室から眠そうな声だけが聞こえた。


外はちょうど過ごしやすい温度で気持ちがいい。




でも練習の頃にはきっと猛暑になっている。


夏の合宿は中学のときも経験していて何度も逃げ出したいって思った。





でも今回はそういう訳にもいかない。

俺は絶対にメンバーに入りたい。