うちの前まで来ると珍しく電気がついていた。
「ただいま」
返事はない。
俺は冷蔵庫のスポーツドリンクを手に取りソファに座った。
そしてテレビを見ていると奥の部屋から目を真っ赤に腫らした母親がでてきた。
「泣いてたの?」
「お母さんの事遊びだったって」
「。。。」
そんな話聞きたくない。
息子に何泣き言言ってんだよ。
「っで別れたの?」
「。。。」
「もうちょっと自分を大切にした方がいいよ」
それだけ言って俺は自分の部屋に入った。
部屋の外からはすすり泣く声が聞こえる。
小さい時親父がいない分俺が守らなきゃって思った。
今もそう思うよ。
でもお母さんが必要としてるのはどこかの知らない男。
・・俺じゃない。

