俺らが着いて10分後
母親は息をひきとった
「まだあんたに言いたいこといっぱいあるんだよ」
母親の肩に手を置き必死に揺する。
「母親らしい事なにもしてないだろ!!」
どんどん激しくなる俺の腕を親父が掴む。
「。。。拓」
俺はその場に座り込んだまま動けなかった。
「拓ちゃん」
「マナさん。。。」
マナさんに両腕を抱えられ廊下の長いすに座らされる。
「大丈夫?」
「。。。はい」
不思議と涙はでてこない。
親父が手続きを淡々とこなす。
まるでもうこの日が来ることを覚悟していたように。
お葬式は密葬になった。
身内もいないからってそう親父に頼んだらしい。
俺は葵や沙希にも母親が亡くなった事は言わなかった。
いろいろ聞かれるのが怖かったんだ。
でもそんな俺の小ささが原因で俺はまた葵を傷つけた。
何回も鳴ってた着信音にも気づかないまま俺はその日実家で過ごした。
1月2日
納骨も終わり俺はうちへと帰った。
【拓ちゃん?何かあった?】
葵。。。
【ごめんちょっといろいろあって。。。】
【そっかぁ。今日どうする?】
【ごめん無理かも。。】
【分かったよ。じゃあまた時間空いたら連絡してね】
さすがに初詣という気分にはなれなかった。
携帯の着信履歴には葵の名前が並ぶ。
。。。ごめんな

